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英和辞典のキホン3~単語の変化形を確認しよう

生徒の皆さんは、分からない単語があった時に辞書を引いていますか。ネット検索する人もいるでしょうし、それで事足りる場合も多いと思います。しかし、それでも辞書を引くことに意味があるのは、辞書は、学ぶための様々なヒントも合わせて教えてくれるからです。

特に、英語には日本語と異なるルールや、知っておくべき背景知識があります。英和辞典にはそのルールや知識が簡潔に記載されているのですが、基本的な文法知識や、辞書特有の表記方法を知らないと読み取ることができません。本記事で、英和辞典を読む際のキホンを押さえておきましょう。


動詞の語形変化

英文を読む・作る際には、主語と述語を明確にすることが重要ですが、述語に使われる動詞の形(綴り)は、主語の人称、単数か複数か、時制などによって、変わることがあります。特に時制による変化は文の意味を左右するため、誤った語形を使うと意味が正しく伝わらなくなってしまいます

多くの英和辞典では、語形変化の綴りを、見出し語の品詞の後に(現在分詞以外は発音記号とともに)「三人称・単数・現在形」「過去形」「過去分詞」「現在分詞」の順に記載しています。

例えば、ベーシックジーニアス英和辞典や、ジーニアス英和辞典の “take” の場合、下記のようになります。ジーニアス英和辞典の方は、語形の明示がないので注意してください。

出典:ベーシックジーニアス英和辞典第2版、ジーニアス英和辞典 第6版(大修館書店)

また多くの英和辞典では、重要語を除き、不規則変化や注意を要する変化の場合のみ語形変化が記載されており、明確な記載がなければ、規則的な変化(過去形には-edをつけるなど)が前提になることに注意してください。更に、例えば、readのような過去形と過去分詞が同じ綴りの場合は、(~s/ríːdz/;read/réd/;~・ing)のように記載が省略されていることにも注意が必要です。

名詞の語形変化

語形変化は、名詞でも起きます。可算名詞(数えられる名詞)のうち、例えば、apple ⇒ applesのようにsをつけるだけの変化が起きるものが多いわけですが、不規則に変化する名詞や、語尾が-o、-f、-yなどの名詞の複数形には注意が必要なため、辞書でしっかり確認しましょう。

多く英和辞典では、動詞の変化形同様に、見出し語の品詞の後に「(複)~/発音記号/」という形式で記載されています。例えば、ジーニアス英和辞典の場合、mouseの複数形は下記のように記載されています。

(複) mice/máɪs/;❷は時に~s/-ɪz/

出典:ジーニアス英和辞典 第6版(大修館書店)

ちなみに「❷は時に」とあるのは、1番目の語義にある「ハツカネズミ」ではなく、2番目に記載されている語義の「コンピュータのマウス」の場合、複数形はmousesとなる場合があることを示唆しています。

ところで、scissors(はさみ)のような複数形でしか利用できない単語もあります。ジーニアス英和辞典ではしっかり[~s;複数扱い]のように記載して教えてくれますが、1つのはさみと複数のはさみを区別して説明するにはどうすればよいのでしょうか。

ジーニアス英和辞典では、a pair of scissors(はさみ1丁)というはさみの数を区別する例を挙げた上で、下記のように、The scissors are very sharp.という英文だと、はさみが1丁なのか複数なのかは不明確になる、と指摘してくれます。例文とともに覚えることで理解が深まるのが学習辞典のよいところです。

《◆The [These] scissors are very sharp. は, はさみ1丁なのか2丁以上なのか不明;数丁のはさみはsome scissorsという; ×This scissors is … は誤り》.

出典:ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)

形容詞や副詞の語形変化

形容詞や副詞も、動詞、名詞と同様に、重要な単語には、見出し語の品詞の後に「比較級」「最上級」の変化形が記載されています。例えば、ジーニアス英和辞典の場合、fastの変化形は、(~・er [est])のように記載されています。比較級、最上級の変化は、原則、単語の音節と結びついていて、fastのように1音節であれば、-er,-estとなりますが、beau・ti・fulのような3音節の単語は、more ~,most ~のように変化します。重要な単語以外は原則に従うとして、変化形の記載が省略されていることにも注意してください。

比較級がない単語も存在することに注意しましょう。例えば、enough(十分な)という形容詞は、意味から分かるように最上級の表現であり、さらに十分なという比較自体に意味がないため、enogher やmore enoughという表現がありません。比較級や最上級がない単語は、ジーニアス英和辞典では、品詞の後に「比較無し」と記載されています。生徒の皆さんは、他にどんな単語があるかを探してみてください。

なお、形容詞の比較級が-er型かmore型かは、音節数と結びついているとしましたが、現代英語では、音節数とは関係なく、-er型からmore型に移行していく傾向があるとされています。日本語でも良く使うfriendlyの比較級は、従来friendlierですが、more friendlyが使われるようになっているそうです。ジーニアス英和辞典では、何故、比較級には2種類の型が存在し、more型に移行していく傾向があるのかを、「英語史Q&A」のmoreの項目で解説してくれています。ぜひ一度確認してみてください。

出典:ジーニアス英和辞典 第6版(大修館書店)
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